感じたこと、思ったことノート

主観の瞬間的垂れ流し、混沌の整理、迷子の自分探し。井戸の底から雲の上まで。

懐かしい写真 から 森、2つのブログ

画像フォルダみてたら懐かしい気分になった。

 

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やっぱりこの森が好きなんだよね。

ずっしりとした重い空気。しっとりした質感。セイランやサイチョウ、ギボン、色んな生き物の鳴き声が聞こえてくる気がする。

これだけで何種の樹種が写ってるだろう。直立したフタバガキ。奥のメンガリスは低く見積もって60mはあるだろう。リサイズしちゃったからわかりづらいけど結構花をつけてる木がある。

鬱蒼とした静かだけど騒がしい森。この雑多だけど主張し過ぎない緑がいい。包み込まれたい。中に居るとそれなりに過酷なんだけど、それがまたいいの。

 

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とある調査で一夜を過ごした野営地の風景。この時は5人だったかな。結構情報量が多い写真。

左上に鍋と米が吊るしてあるのはミズオオトカゲに食べられないように。川を遡上してびしょびしょになるから、日が出てるうちに服を石の上において干す。誰かパンツ干してる 笑 ポリタンクは飲料水だけど、彼らは煮たコーヒーに砂糖500g入れたものを持ち歩いたりもする。右上の木の枝は釣り糸が結んである。大きな魚が釣れる。一応ワニもいる。

焚火は流木。蚊が凄いのと野生動物も多いので夜は切らさないように大量に燃やすから近くにいると煙いし暑い。獲ったお魚や動物(ここだけの話)を焼いて食べる。石が少ない所は寝た所。大きなビニール袋やビニールシートを敷いて服を枕に寝る。ちゃんと石をどかさないと痛い。雨が降るとビニールシートで屋根を作る。結局濡れて寒いんだけど。増水も早いから結構危ない。

彼らにとってはハンティングは日常のイベントだからかなり手馴れてる。一緒に居てとても安心。というより彼らにしか任せられない。僕もそれなりに住んで長くなるけど、まだまだ誰かと一緒じゃないとこの場所は無理。岩場で浅いから一人じゃ危なくてボートで上流に上ることも下ることもままならない。

調査仲間の一人は僕が兄のように思っている優秀なトラッカー。彼が煙草を咥えたまま風下からスーッと足音を立てずに近づき、さも当たり前のようにシカを射貫いた時の光景が今も鮮明に脳裏に残ってる。吹き出る硝煙、空間を切り裂く破裂音、転げ落ちるシカ。午後の日差しの中の神々しい瞬間だった。狩る瞬間は何度も見てるけど、あの瞬間だけは別の何かとして残ってる。

彼にはもっと色々習いたい。

 

子供が大きくなるまでは街と村を行ったり来たりと思っていたけど、去年からコロナで制限が掛かってあまり帰れてない。早く帰りたいよぅ。街に居ると窒息しそう。

景色だけでも音だけでも空気だけでもなくて、全ての感覚を包み込むあの環境。そこでの生活を通じて僕の中での支配構造が変わり始めた。僕が矛盾の外側でただ僕として在れるのがこの森だと思う。

 

森の中はある意味でイメージの世界。音はするけど見えない、見えるけど音が聞こえない、匂いはするけど…、痕跡はあるけど…、何かの気配はあるけど…、経験的にここには…、そんな情報をイメージで補って状況を把握することを脳さんは自然とするようになった。それを子供の頃ほど使わない世界での生活が長くなってたから、ある意味リハビリだったのだろう。それが多分変化の一因。

 

 

このブログではあんまりこういうこと書かないつもりなんだけど、懐かしかったから。

自分を隠すつもりもなく義務感で書いてるブログがあるのだけど、そっちは書いてて面白くなくて全然記事が増えない。題材になる写真はいっぱいあってもお堅いことしか書かないから。知人に見られる確率を考えるとどうしても内面的なことは書けないし、小恥ずかしい言い回しもできなければこんな支離滅裂な文体でも書けないしぃ。つまんねぇなぁ。って。

ゆくゆくはそのブログはサイト内の1コーナーになって、サイト全体は村のツーリズムや来訪者向けの情報として役立てられればと思ってはいるけど、まぁずっと先の話だね。

 

そっちでは図鑑なんかと差別化する為に極力現地住民視点で書くようにはしていて、それもまぁ僕としては大事だとは思うんだけど、内容が客観的すぎるんだろうね。何でそうなるかってまぁ性格とかコンプレックスとか怖れとか色々あるのだろう。昔から自分の主観を人に見られるのが嫌で作文も苦手だし。

でも僕が本当に外に出したいのは多分感情だったり感覚だったり、そういう主観的な内容を混ぜたものやドロドロの思考の産物や誰も答えてくれない疑問だったりするんだと思う。それがここの、僕にとっての役割になってる。多分。

 

この2つの中間をいければいいなと思っていて、実際それに近づいてはいると思うんだけど、まだまだ難しい。でもこの2つが丁度相容れない2つの自分を映し出しているようで、それがなんか面白いな。

こっち側で表側のことを書くのもある意味では歩み寄りなのかもしれないなぁって。

 

 

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ここ、僕が一番好きなところ。さっきの所よりさらに上流。半径15kmは人が居ない。精霊はいるらしいから、要所でお供えをしながら荒らしに来たのではないことを唱えてここまで入る。

常に崖が崩れててちょっと怖いけど、とても空気が気持ち良い。ここに住みたい。