木曜の夕方からお熱が上がり、悪寒の中Zoom会議を頑張ったのですが途中で耐えられず戦線放棄。
3週間前から徐々に悪化している脚の化膿からの発熱なのは明白だったので翌日病院へ行こうと思っていたら、夜中になって手足が麻痺し硬直したため、まずいかな?っと思い病院2へ送ってもらった。感覚がなくなるだけならまだしも、死ぬ直前に魚のようにピンと反ったまま動かせなくなって結構焦った。手足、体感冷たいけど熱いらしいし。
救急外来では2時間待った後の問診の結果、僕が先々週までいた村がcovid19のレッドゾーンに入るということで、それを担当しているもう1つの病院へ行ってくれと言われ、隔離テントでお迎えを待った後病院1へ移動…
クラスターが出たって街からは4時間離れているけど、行政区分的には入るからって。医師も看護師も不安を発していたし、向こうもガイドラインがあるであろうお役所なので仕方ないなと思い大人しく従った。
幸い、待ち時間の仮眠とそこで飲まされた解熱剤で手足も動くようになっていたので、僕の中で心配は減っていた。
移動先の病院1では救急外来の外でちょこっと脚を見て、「痛み止めあげるから明日の朝クリニックに行ってね」と言われた。この温度差、そしてたらい回しである。
この頃には大分マシになっていたので、おうちに帰ってご飯を軽く食べてから寝た。時計は既に3時を指していた。
翌日は熱も38度代前半までしか上がらなかったのであまり心配はなかったけど、怒られるといけないと思いクリニックへ。
そこの医師は熱血系で僕の受けたたらい回しに医療責任の放棄だと憤慨し、レポートするからと言う。僕は、面倒くさいからそんなことしなくていいのになぁと思った。
医師はどこも病院の違う専門医とWhats appで患部の写真をやり取りしたりして連携していて、時代の変化を感じた。
血液検査の結果、抗生物質治療が必要とのことで、病院へ送るからそこで治療を受けてくれと言われる。公立か私立かどっちがいいか聞かれたが、お金のない僕は迷わず公立を選んだ。妻がこの国の市民権があるので、公立なら配偶者の僕も医療費が殆どかからない。待ち時間はネックだが救急の場合あまり変わらないし。
病院へ行く前にCovid19の検査が必要ということで、鼻粘膜の検体を取られた。さっきまで隣にいた看護師が緑色のゴム手袋だけ飛び出た小さなブース型の個室に入り、不慣れな仕草で鼻に綿棒を突っ込まれる。痛かった。そのまま検体をbio hazardと書かれた袋の中にパッキングし、外に出てきたその看護師は何食わぬ顔で素手のまま外側からゴム手袋を引っ張って直す。色々と不思議な光景だった。
夜まで待って結局最初に行った病院2へ救急車で舞い戻った。事情を説明する。言われた通りの行動をしたし、covid19も既に検査した(精度はどうあれ)し、熱血医師のレターもあるし、今回は自信があった。でも夜中のシフトになって昨日の医師と顔を合わせるのは少し気まずいから、取り敢えず早く検査終わらないかなと思った。こういう時向こうが気に病むのではないかと気になってしまう。
待合室で前にいた女の子が脚が真っ青だった。アナフィラキシーショックらしい。辛そうだった。
問診、触診、血液検査、レントゲンの後更に3人の医者による問診(ここではいつもそう)の後、点滴を打たれる。血液検査はどれも一発ではうまく取れず、点滴針に至っては2回失敗で3回目でようやく入った。看護師が申し訳なさそうにするから僕も申し訳なくなる。
彼女が言うには、見た目はっきり見えるけどうまく刺さらないらしい。失敗する度にアニメとかで「バカな、直撃のはずなのに」と自信たっぷりの攻撃をしたのに煙の中から無傷の敵が出てきた時ような反応を見せる。
そういえば血圧も低めだった。血が増えるような食生活を心掛けるべきだろうか。
21時ごろ、ようやく病室へ。ソーシャルディスタンス確保の為一般病室なのに一人部屋の貸切状態。ウキウキ気分。
ここの入院は2度目だ。2年ちょっと前かな。レプトスピローシスで10日間入院した。今回はその時に比べるとかなり元気だ。
先ずは研修看護師から質問責め、その後医師からも質問責め。でも質問の多くは問診で既に聞かれたもので、医師や看護師も頭に入っているのはすぐに分かった。じゃあなぜ聞くのだろう?記憶や意識レベルのチェックなのだろうか。
流石に何度もなんども疲れている時に同じ質問をされると疲れるし、目的があるにせよ、知っているのに知らないふりを隠し切らないでされるのはいい気分がしない。
Covid19の検査が陰性だったのを知らされたのもここだった。僕は「そうなんですね」と言いながら(そりゃ陽性だったらここじゃなく病院1へ送られるだろうし当然だよね?)と思った。
今朝は専門医の回診があった。20人弱くっついていて、インタビューを受ける有名人の気分だった。
リンパ腺や患部の腫れ具合から切開して膿を洗浄する手術が必要だろうと同意書にサインをさせられていたが、今朝の超音波検査(グリグリ痛かった)の結果が夕方出て、手術は今の所必要なさそうとのことだった。抗生物質治療で数日入院して様子見。
あまり抗生物質に頼りたくなかったけど、感染を抑えきれなかった時点で僕の免疫の負けなので仕方がない。麻酔が怖い僕は切開しないでいいというだけでもとても気が楽になった。
手術がなくなったので飲食オッケー。お薬との相性なのか、朦朧としたり寝たり起きたりして1日が過ぎた。1時になり大分元気になったのでこれを書いた。薬の投与から3時間くらい結構朦朧とする。気持ち良いような、でもどこか不安が混じる感じ。
以前は曖昧なままだったけど、今は病室も携帯okらしく、充電用のソケットも教えられた。確かに家族と連絡を取るにも今は携帯がないと大変だしね。
なんだかんだで忙しい3日間だった。明日はゆっくり朦朧とできそう。
最近免疫を含め生命力が色々と弱ってる感があるので、ちょっと考えないとなぁと思う。さてどうしたものか。
ところで、この部屋は眺めが良くて、いつも僕が車で通ってる道がここから見える。そこをひっきりなしに走る車も。何の気なしに僕が運転している車を、こうやって誰かが遠くから見ているかもしれないんだなっていうのは時々思うけど、やっぱり不思議な感じがする。なんともいえないけど、その両方が合わさるとどこか懐かしい視点。