感じたこと、思ったことノート

主観の瞬間的垂れ流し、混沌の整理、迷子の自分探し。井戸の底から雲の上まで。

現実逃避 『ザロエスカス』

時々小説とか書いてる方見かけるからから僕も即興で文章を書いてみよう。

 

ザロエスカスはタペランツォ(地球でいうアンドロメダ銀河の縁部にある小さな惑星)に住むノパガンタという知的生命体の一個体で、スケンルォ暦12650年に生まれた2862歳(地球年でいう185歳)です。スケンルォはタペランツォの近縁に位置する惑星で、ノパガンタの本来の故郷であり、タペランツォはオゥワルン教徒の植民地でしたが、スケンルォ暦8765年に起こった65革命により異銀河種族親交革新派と見做された政治囚の島流し先になっていました。

 

現在では資源力と能力革新(元々タペランツォに住んでいたパルンという6足歩行知的生命体との精神的融和による形状進化。ノパガンタは必要な時にだけ子孫を残すが、異種族との融和を利用することがある)により強大な力を手にし、祖惑星スケンルォだけでなく近隣星系を支配するに至ります。

しかし、異銀河種族の連合であるプラータオ、その中でも特にウカーラ(ヨスラン5恒星系を支配する水棲種族)は、ノパガンタの他文明に対して閉鎖的でありながら(65革命の結果である)示す急速な拡大志向に警戒し、大規模な軍事侵攻を準備していました。そんなことはノパガンタの多くは、知るよしもありません。例外的に通商船団の従事達はその気配に気付いていましたが、彼等は10世代以上も船団に従事しており、祖惑星の者たちとは既に性質が異なっていましたし、帰属心など毛頭持ち合わせていなかったので、その情報を有利になるよう活用しようと秘匿していました。彼らはこの日の為に準備していました。

交易の傍らとある衛星に要塞化した拠点を設け、プラータオ側として侵攻に参加するための造船プラントを稼働させていました。そこで彼らはウカーラから提供された技術を駆使して次世代先進戦闘用ワームホール航法装置『ラダエ69』や自動複製修復船殻、そしてガンマ線弾頭も装着可能な対プラズマシールド電磁貫徹複合弾『ノスボーリ24』などを試験的に装備した巡航戦闘艦サヴォーユ級や多兵種の先進オートマトン部隊(別プラントで製造)を内蔵した強襲衝角戦闘艦ケラミン級を複数建造し、それぞれ4隻が完成していました。

数こそ少ないものの、この8隻だけでも慢心しきったノパガンタのタペランツォ主力艦隊に容易く風穴をあけることができる質的優位を備えています。

 

 

ザロエスカスはそんな時代を周りのノパガンタ達となんら変わらずに生きる青年です。他の子達と少し違うのは、彼の水色の目は奥底に深い悲しみを宿していることでしょう。ノパガンタには、少なくとも現在のノパガンタには悲しみなどという概念はないのですが。

 

ザロエスカスは今日も好物のスパゲッティラ(タペランツォの西の海にある海溝で豊富に取れる節足生物で、繁殖期になると高高度までロケットのように飛翔し、卵をジェット気流にばら撒きながら力尽きて死ぬ)の入ったバッグを第4腕に持ち、第2腕を器用に使い毒棘を抜き、1匹ずつ丸呑みしながら地方都市ケールにある宗教学校に向かっていました。

 

彼はスッタ教の敬虔な信者(この頃のタペランツォでは選択的宗教義務化制度により7大宗教のうちどれかの信者になることが義務化されていました)でしたが、ある日を境にオゥワルン教の始祖が夢に出てくるようになり、戸惑っていました。過去強大な力を持ち種族の分断をもたらしたオゥワルン教は現在では禁忌とされ、詳しい内容は種族の記憶クラウドからも抹消されているはずだからです。

 

(つづかない)

 

ここで僕は我に返りました。荷造りしなきゃいけない日に僕は一体何をしているのでしょう。

現実逃避は終了です。

 

 

因みに4章ぐらいで現代地球人の子と意識が繋がるパートがあって、過激さを増す戦闘の最中、ザロエスカスとその子は相互に大きな影響を与え合いながら両銀河が精神面と物質面双方の飛躍的発展を遂げる。それだけでなく2人の精神的な融和を通じて種族や外見、様々な垣根を越えた宇宙規模のロマンチックな展開がですね…

 

はい。荷造りします…