感じたこと、思ったことノート

主観の瞬間的垂れ流し、混沌の整理、迷子の自分探し。井戸の底から雲の上まで。

Conquest of Paradise 流れの中の悲劇 喪失感の源泉

ヴァンゲリスのサウンドトラックを聴いていて、『Conquest of Paradise』がやっぱり好きだなと思った。映画の印象もあるんだろうけど。

新大陸に忍び寄る闇という歴史的な視点と、コロンブス達が感じたであろう希望や喜びとすごくマッチすると感じる。

 

彼らはいったい何を見たのだろうか。

もうこの際コンキスタドールに仕える船員や傭兵でいいからその時代に生まれたかった。

コロンブスは虐殺や略奪において非難されることが多いけど、現代の価値観で死体蹴りするのは趣味が悪いと思う。悲劇は悲劇。でも歴史なんて悲劇しかないし、その悲劇は形を変えてどこにでも蔓延っている。それを理由に過去の人を裁くことは出来ないと思う。あのメンゲレでさえ狂気の中だからこその狂気だと思う。現代の狂気や暴力はちょっと形が違うだけだし、それは悲劇を生み続ける。

 

探検の目的から考えても、当時の西洋的価値観がまとまった戦力を持たない文明と遭遇すればどうなるかは明白だろう。その尖兵となったのがコロンブスというカリスマだったに過ぎないのだと思う。

そこに何らかのパラダイスが見いだせる限り、征服は自ずと起こってきた。教会が虐殺を非難したところで、宗教の理念が個人の中の虐殺を正当化する。そしてそれさえも宣教という最高の善意の押し売りの前では霞んでしまう。

 

経済、博物の為の搾取、奴隷化。改宗と階級化、入植と経営の為の統治、様々な介入に虐殺。パラダイスはコーヒーにミルクを混ぜるように攪乱される。そこに元のコーヒーの味を見つけることは難しい。

でもそれは起こるべくして起きたのだろう。文字や車輪の発明から偶然の繰り返しという必然によって起きるブレイクスルー、そしてパラダイムシフトを繰り替えす。数々の文明はそういった意味では単なる実験対象に過ぎないのかもしれない。

誰の為でもないのに自分達では止めることのできない悲しい実験。 それが人類なのかも。

 

人類の発展の中で生まれるワンダーもあるけれど、この世界の止まらない流れの中で失われ続ける様々なワンダーに比べると、喪失に割かれる度合いが大きくなりすぎていると感じる。

それは直接的に、僕が感じ得たであろう情景の喪失。

 

例えばもっと時代が下った先のウォーレスやダーウィンでさえ、生まれ育った地とは違う場所の探検を通し、様々なものを見て感じ、その中だからこそ己の博物を追求していけたのではないだろうか。彼らが現代に生まれて健康的に現代的な学者をやれたとは思わない。それも一種の搾取であって、喪失につながる発見ではあったけど、僕にとって重要なのはそこではない。流れの中にあっただけの悲劇は後世にしか計れない意味の薄いものだ。それよりも壮大なものがある。

 

彼らがその時代に生まれた幸福。それこそが僕の羨むところ。

自分のキャンバスに知識ではなく、経験として壮大な未知なるワンダーを取り込んだときの色の広がりや混ざり。そしてそれは苦難の分だけ深みが生まれる。

何という幸福だろう。

 

 

現代だからこそ僕がそう思えるという考え方もできる。知識や技術がある中でこそという。それはそういう面もあると思う。でも僕の中で目を逸らせない現実として、『だからこそ失われるものを感じてしまう』という現実がある。

全てはバーターだから。

知れば知るほど不幸になるというのはそういうことなのだろう。

 

知によって喪失していく情景を、色を失っていく世界を知覚させられるという喪失感。

そして、既に世界が喪失したワンダーを知によってイメージの世界で体験し、でもそれが実際には既に知覚できないものという現実の喪失感。

それらの累乗が僕が感じる絶望的な喪失感の源泉なのだと思う。

 

そしてそれはコロンブスやザビエルという使者によって征服されたと体感され、それを奪う帆船、キリスト教国家の列強が連想されるけど、それを更に連想で遡れば一神教さえ通過点であって、結局は車輪や文字を生んだ紀元前の人類そのものに行きつく。

 

ヒトがヒトである限りParadiseはConquerされ続けるが、それそのものがParadiseを生むことは出来ないで現代に至る。それでも人類はParadiseを望み、目指し続ける生き物なのだろう。征服していずれ失うとわかっていても、それを目指す本能には逆らえない。でもそれらは僕にとってはParadiseとは成り得ない。そこにワンダーを感じないから。Paradiseは失われた。

 

コロンブスやコンキスタドールたち、探検者たち、宣教師たち、仕える者達、そして入植者たちは何を見たのだろう?何を感じたのだろう? 

 

いつもながら書いていて自分で意味が分からない文章になった。

ヴァンゲリスさんの曲を貼ってお茶を濁すべきだね!

 


1492: Conquest of Paradise • Main Theme • Vangelis

 

航海、発見、探検、遭遇、入植、そして戦いと征服

こんなに心が震えるものがあるだろうか?

それがたとえ悲劇の流れがもたらすものであっても…