破滅的なものや退廃的なものに僕が感じる魅力は、つまるところ後戻りできないことの魅力なのだろう。
行為にしても、意識にしても、死線であっても、一線を越えることで戻れなくなる。それでも越えるのだ。
特に一時の感情に任せてその一線を越えることって、何かこう解放的な美しさを感じる。その飛翔への憧れであって、平穏を投げ捨てる力強さ。
それを世の中では浅はかな愚か者というのだけど、浅はかかどうかなんてわかるものではないし、でも越えていったのだから僕は愚か者は魅力的だって思う。
一瞬とその先を天秤にかけるのであれそうでないのであれ、その一瞬に賭けるということ。
その先に、その一瞬は一瞬ではなくなるかもしれないし、この生が求めていたものがあるかもしれないし、虚しさだけが残るかもしれない。それでも、という力強さ。破っていく力。力かぁ。
ロマンチックな強さ。
対局にある恐れがなぜ生まれるのか。でもしかし、既に恐れを抱いているからこの思考なんだよね。
誰よりも臆病だからね。だから対比として、それを破る人がより輝いて見える。滝を登る鯉を夢見る金魚なんだよなぁ。
今日も金魚鉢は平和です。飛び出したくなるほどにね。