風が吹いているのか、空気が流れているのか。
そんなのは気分次第で使い分ければいい。
風に吹かれる自分に飽きたなら、流れの中にいる自分を感じればいい。
空気の流れには層がある。自然や気象の影響をもろに受ける低層の流れ。清々しい空気の流れ。雨が降った山の空気の感触がそのまま流れてくる。
気体であれ液体であれ近くから見て性質が違うとしても、遠くから見れば同じ流体。
川や湖の底にいるようなものだ。鳥が魚(海老の方がいいかな)なら、僕は差し詰め巻貝といったところだろう。
月明かりを浴びながらその流れを受けて地面を這いつくばっている。そこに沈んでいる。
流れに乗るには僕の体は重過ぎるのだ。
だから鳥に憧れるのかな。
表層の月明かりを浴びてみたい。月もきっと、もっとはっきりと輝いている。