上から見ると島の浮かぶ海のような雲が、太陽に暖められ軽く、力強く、それでいて何よりも自然に舞い上がっていく。
暖かくなれば浮かび、冷たくなれば沈む。感情もまた同じようなものなのかも知れない。
上下する。密度が変わる。時にふんわり、時にどんより。
雲の海の中の包み込むようなミストの涼しさに感じる安心感、静寂は僕らが水の中の生き物だった名残だろうか。今でもそうなのかも。地に足をつけるのも、水の中を泳ぐのも、漂うのも、上から見れば同じことだ。
いつか雲のように舞い上がり、安らぎの中に薄れ、万物に帰すことができるだろうか。
なんてことをさっき運転しながら考えてた。あと350km…
あの雲のように漂える時には、こんな生活をしていた自分もどうでもよくなるんだろうな。
カメラは忘れてくるし、やっと撮れたと思ったら山も中腹まで降りかかって、おまけに下は農園で電線が写る場所しかなかった。雲も昇りかけ。残念。