昨日、知人の多いツアーグループを空港でお見送りした。彼らはジャングルへ行った。
みんながジャングルに向かうのに、僕だけ街でお留守番というのはとても切ない。中には久々に会うとても気の合う友達も居て、気持ちが不安定になった。パン一切れでお腹いっぱいになり、瞑想してみても落ち着かず、逆に疲れて寝て起きてゴロゴロを繰り返した。
今朝は早く目が覚めた。
家にいるともっと不安定になると思い、近場の小さな森林保護区に来た。
森はいくらでもあるが、私有地に入って怒られたら嫌だなぁと思うビビりなのです。
エントランスでは「入場料~だよね?」と先制攻撃することで現地人価格で入れた。
9年住んでいるのだから当然の権利だと思っている。
1,100haちょっとのちっぽけな保護区だが、傾斜があるので半袖半ズボンサンダルで来たのは計算ミスだった。取り敢えず車の音が聞こえない場所を目指すが、道路と保護区は並行しているようで、進めど進めどそんな場所は見つからなかった。残念。
僕はトレイルを歩きに来たわけでも高い所を目指しに来た訳でもないので、これ以上斜面を上がっても仕方がないことに気づいた。水も少ししか持って来ていないので、これ以上行くと夕方まで居座れなくなる。ということで山頂手前の森の中で、倒木に腰掛けてこれを書いている。
カラカラの枯葉が積み重なった整備されているのかされていないのか分からないトレイルを来すぎてしまった。サイズの合ってないサンダルでこの傾斜は滑落しそう。
様々なセミの声、ヤイロチョウやヒヨドリ、バンケンの仲間の声、葉が揺れ擦れる音、雛鳥が親を呼ぶ声、虫達の羽音、風向きによって変わる果物や花、土の香り、目の前の木を僕に警戒しながら飛び跳ねるミケリス、誰も来ない森。
道路の音さえ聞こえなければ最高だった。街から遠くなくこの環境でこの価格なら文句を言うのは良くないと思った。
森の中では蚊に刺されることすら心地よい。汗ばんだ手足をミツバチが舐め続けるのを眺めていた。
僕自身から出た水分や塩分が他の動物に使われる。こういった自然の循環の中に身を置いていることを実感するととても落ち着く。
携帯は機内モードにする。
昨日貰ったパンを食べ、持ってきた本を読んで過ごそうと思う。
贅沢な休日でしょ?
さて、困ったことになった。
ミツバチにたかられるのは良かった。僕も水分とミネラルを提供することに問題は感じず、心地よささえ感じていた。
でも彼らにとって僕の居心地などどうでも良かった。それよりミネラル源として重要らしく、フェロモンをつけられたようだ。
お友達が寄ってくる。
流石に4匹を越えるとブンブンブンブン鬱陶しいし、くすぐったいだけでなく、なんかの拍子に刺されるかもしれない。
森の中での痛みはスパイスだと思っているが、今はリラックスしにきているのでもっと平和的に交流したかった。
相手を理解しつつ自己主張はするべきだった。一つ教訓を得た。毎度これで失敗するのだけど。自然も人間関係も変わらないなぁ。
これでは本が読めないので移動しようと思う。